日常に旅を

仕事が繁忙期に入った。
期末と諸々の期限とこれまでの怠慢で偉いことになっている。「あれはどうなった!」「やってません!」「バカ野郎!」というシンプルなコミュニケーション。だってこの前急がなくてもいいって……と、モヤモヤするけど言い返さない。帰宅は毎日午前様。妻も寝ている。朝はいつもより早く行く。その分仕事できるから。自分でも社畜の素質があるなって思う。


そんな鬱屈とした毎日の清涼剤として、最近は『特急電車帰宅』を取り入れている。普通電車だと50分くらいかかるところを20分で帰れる。素晴らしい!っていうか、普通電車にはもっと頑張ってもらいたい。
さらに、特急電車の中で夕飯を食べるとちょっとした旅行気分を味わえる。
ちなみに今日の夕飯はセブンのエビチリ丼と味噌汁。
f:id:nohitakun:20180306224704j:plain
これを買ってて危うく特急に乗れないところだった。一時間くらい味噌汁を手に持っていないといけないところだった。「あれ、スタバカップかと思ったら味噌汁だ」って乗客に思われる。危ない。あの人、格好いいなって密かに思われてるかもしれないから気が抜けない……と思っていたい。


そんな最近。
僕だけテンヤワンヤなのも悲しいので、出切れば皆さんもテンヤワンヤでいてほしいと願うのですが、いかがでしょうか?

新婚旅行と英語

3ヶ月程前から通勤電車の中で、ちょこちょこと英語の勉強をしている。


日本語すらままならない僕が英語を勉強しているのは、去年の秋に新婚旅行でハワイ島に行ったから。
「ハワイって日本語、使えるんでしょ?」って思ってたら、「ハワイ島」の方は意外とそうでもないらしく、けっこうな頻度で英語を要求された。そんな中、我ら夫婦は悲しいほど英語が使えない。
試しに妻にTOEICの点数を聞いてみると「会社で受けさせられるけど、まぁ300 点いかないよね(TOEICは990満点)」と仰る。僕は新入社員の頃受けたきりだけど、たぶん同じくらいだと思う。


知らなかったんだけど、言葉が通じないっていうのはかなり精神的に来る。新婚旅行初日に妻の笑みは消え、二日目に僕はホテルの部屋でNHKのラジオを聞いた。日本語が恋しかった。
今思い返すと辛かったのは初日のレストラン。隣りに座った男性客は英語が堪能で、ホリエモンEXILEを足して2で割ったような人だった。ようは自信に満ちあふれ、お金持ってそうで、日本で会ったらまず間違いなく友達になれないような人だった。
そのEXILEが僕らとウェイターさんの通訳をしてくれた。
EXILE曰く「言葉なんか通じなくてもいいんですよ!楽しまなきゃ!僕?ハワイは6回目ですね」とか言っていた。
これが日本なら「うるせぇーよ!ばーか!ばーか!お前のTシャツピチピチ過ぎ!」くらい思えるんだけど、その頃の僕らはホームシックの真っ只中で、冬場に借りてきちゃった猫くらい小さくなっていたこともあり「へぇ、へぇ。そうでやんすね」とか言いながら頷くことくらいしかできなかった。ピチティーEXILEが壺を売ってたらたぶん買ってたくらいに弱ってた。


ワイ島自体はジェスチャーで何とかなると分かってからはすごい楽しくて、ぜひまた行きたいと思うほど復活することが出来た。富士山よりも高い山頂で見る圧倒的な星空、触れるくらい近くで見たマグマ。何よりも海岸で心地よい風を浴びながら飲むコーヒーの味!本当に行けて良かった。
が、やはり現地の人との会話はからっきり駄目。指差し&ジェスチャーで乗り切った。
だから、せめてお店の人とコミュニケーションが取れるくらいには英語が使えるようになりたいなって思い、英語の勉強を始めた。
のひ太イズ健気。


が、3ヶ月。3ヶ月ねぇ……。
当初のモチベーションが日常生活の中で磨り減っていくには、十分な時間。もはや惰性の習慣になり、なんだったらこのブログを書く時間に置き換わりつつある。
ちなみに今やってるのがコレ。

中学英語で言いたいことが24時間話せるパート1

中学英語で言いたいことが24時間話せるパート1

勇気ある僕は、面倒くさいという理由でカバー無しにこの教科書を電車の中で開いている。乗客たちに「あ、こいつ中学英語で何とかしようとしてるな、てか24時間って何だよ!!」って思われてるかと思うと、それもモチベーションが下がる一つ。うるさい!その点は僕もわからないんだ!
隣に座る受験生の方が確実にレベルが高い。関係代名詞とか出てきてるはず。こちとら、Thisはこれ、Thatはあれっていうレベル。この本、鞄から出したくない。ちなみにこの前の麦茶事件でヨレヨレになった。
これが『上級英会話〜商談・交渉用英会話〜』とかだったら、颯爽と広げられたのに……。本のタイトルが恨めしい。


これは、モチベーションを上げるためにももう一回海外に行くしかないな、と思う今日このごろ。誰か連れてってほしい。

人類に浴室乾燥機は早かった

最近、ヨーグルトメーカーを使ったなどと家庭的な一面を見せてしまっているけれど、今日もそんな話題。
先週土曜、お風呂場の浴室乾燥機を掃除した。先週の土曜からだいぶ時間が経っているけど、ブログに書くまで心の整理に日数が必要だった。今回はあまりにもダメージが大きい。


掃除の発端は、浴室に赤茶色の水が垂れるようになったこと。
最初は「何かしら?まぁいいや」とシャワーで流していたのだけれど、それが続く。よく見ると着地点の真上は浴室乾燥機……。コナンくんばりの推理を働かせると「浴室乾燥機の中で何かしら赤い液体が出来上がり、それが溜まってて排気口から落ちてきている」と考えられる。一度気にかかると、その気持ち、もう止められない。can't stop fallin' love.掃除することに決めた。


が、ここで一つ問題。
実は過去にも浴室乾燥機内が気になって、業者に清掃の依頼を出したことがある。けど、丁重に断られた。うちのマンションで備え付けられている浴室乾燥機は分解清掃出来ないらしい。その時は「まぁ仕方ないね」で、諦めたけれど今回はこっちも引けない。負けられない戦い。
(分解清掃出来る浴室乾燥機もあるみたいです)
業者の人にもやらない方が良いですよ、と言われた分解清掃の海に漕ぎ出す。いざ行かん!ヤーヤーヤー!
  

まずは天井に取り付けられた浴室乾燥機の蓋を取り外す(乾燥機自体、天井に埋まっているため外せないので付けたまま掃除しないといけない。だから上を向いた作業になる。)。ネジで止まっているだけなので、簡単に外せる。開けてみると……、うん、業者の人の言うとおり開けなきゃよかった。
よく清掃業者の広告で「お家の中ってこんなに汚い」みたいな、写真があったりするけれど「これって過剰広告だよね」と考えがちだ。でもね、あれ、マジっす。嘘じゃないっす。本当にあんな写真の通り。浴室乾燥機の中、真っ黒けっけ。おそらく乾燥機がホコリを吸い、そのホコリにカビが生えたのだろう。ナウシカ腐海は、たぶん宮崎駿監督が浴室乾燥機を掃除してときに着想を得たのだと思う。
ちなみに写真は撮らなかった。あれは世に出してはいけない。


とりあえず天井の乾燥機の内部をスポンジで擦ってみる。黒い土みたいなのが、ボロボロと落ちてくる。ギャー!
床はあっという間に落ちてきたカビで真っ黒になった。もう辞めたい。でも、やってもやっても一向に終わらない。
仕方ないのでバスマジックリンを直接吹きかけてみる。これで乾燥機が壊れたら敷金が帰って来ないだろうなとは思ったけれど、背に腹は代えられない。もう何も知らなかった頃の私達には戻れないのだ。それをさらに歯ブラシで擦ってようやく黒カスは落ちてこなくなった。でも、乾燥機の中はまだ全然汚れている。黒いところは変わってない。泣きながら歯ブラシでゴシゴシしても汚れは落ちない。……30分後、僕は掃除用具を片付けることにした。負けたのだ。
僕はこの腐海とともに生きていく。これは諦めではない。決意だ。
蓋を締め直して、見なかったことにする。悔しいこと、この上ない。もう我が家では浴室乾燥機を使えない……。


今回のことを通じて、メンテナンス出来ない機械は良くないと思うようになった。オーバーホール出来ることは機械として必須条件ではないだろうか?
メンテナンス出来ない機械は身の回りにたくさんあると思う。エアコン、洗濯機、換気扇……。それらを我々人類はコントロールしきれているのだろうか?中は綺麗だと妄信しているだけではないだろうか?
そう、人類は浴室乾燥機という叡智を使いこなすにはまだ早かったのだ。


※今回の記事を読んで「やってみるか」と思った方、注意事項があります。蓋を外すと換気扇の羽が剥き出しでした。一歩間違えば、指が吹き飛びます。汚れた羽で吹き飛ぶので傷口にも良くないでしょう。
どうせ汚れは落ちないのだし、やらない方がマシです。壊したら敷金も帰ってきません。開けるのはお勧めしません。
どうしてもという方は、こんな記事を書いておいてなんですが、自己責任でお願いいたします。

ヨーグルトメーカー最終章

オリンピックが終わり、東京マラソンが行われている本日、我が家ではヨーグルトメーカーの点灯式が厳粛に執り行われた。牛乳は我が家でおいしいと評判の「東京牛乳」。種菌は健康効果が高いといわれている「R1ヨーグルト」。準備は万端。あとはこの二つを混ぜて、機械にセットし、スイッチオン。で、待つこと8時間。

f:id:nohitakun:20180225132811j:plain


見た目はふっつーにヨーグルトができた!え?手順3つくらいだよ?それで1リットル(=1キロ)のヨーグルトができるの?今まで買ってきていた意味って……と思ったけれど、もしかしたら僕に恐ろしいほどヨーグルトづくりの才能があるのかもしれない。明治から刺客を送られてもおかしくない。
が、食べてみるとけっこう酸っぱい。いつもはブルガリアヨーグルトを食べているのだけれど、今回の点灯式を前に気合を入れてR1を買ってきたため、これがR1の味なのか、なんか変な菌も入っちゃって、ちょっぴり酸っぱくなったのかが分からない。本当なら外に出てR1を買い、食べてみればいいのだけれど、それもめんどくさい。しかも今日は東京マラソンやってるから外に出ないって決めている。……うん、たぶんR1もこんな味なんだよ。だれもが初めて食べたときは「ん?すっぱい?」って思いながら食べているはず!と思うことにした。


それ以外は本当に普通にヨーグルトだった。大量にヨーグルトがあるから、もう食べ放題。朝も昼も食べた。「これ、妻が買ってきたヨーグルトだし、黙って食べるのはやめておこう」とか「食べるにしてもバレないように食べよう」とか「一個食べちゃった。どうしよう……」とか考えなくていいんだ!
新たなヨーグルトライフの幕開け!僕らの航海は今始まったばかりだ!


ちなみに、ヨーグルトの効果として「美容」もあるみたい。ヨーグルト、何でもありだな。そのうち僕の近視も治るかもしれない。とりあえず、1年くらい食べ続けて10代のころの愛され肌に戻そうと思う。


もう一つ追加。妻は「怖いからあなた(僕)が食べた後の様子を見て食べる」と言っている。身近な人体実験。

グッバイ ブルー

今日あった嫌なことを報告したい。
いきなり不穏な書出しで申し訳ないのだけれど、僕の感情を吐き出させてほしい。この気持ちをみんなと共有することで少しでも薄めたい。助けて。


今日、通勤バックの中で水筒の中身が漏れてた。
……たしかに大したことないかもしれない。でもこういうのが地味にダメージを受けるものなのです。


電車に乗って席に座り、カバンを膝の上に乗せるとホンワカと温かい。すわ!漏らしたか!?と焦って見ると股間に染み。朝7時半に本日終了の鐘の音が鳴り響く。35歳にして漏らしてしまった!や、でも、30越えたしね、尿線も緩むしね、僕のせいじゃない、自然の摂理、とりあえず会社休んで家に帰ってビール飲んで寝よう、妻には黙っておこう、と猛烈に自己擁護しているとカバンの下も濡れてることに気づく。さらに放尿時の開放感……っていうか、達成感的なものもない。
これは!とカバンの中を見てみると、底で水筒の中身の麦茶がちゃぷちゃぷ言ってる。温めた麦茶が湯気を出してる。カバンの中身がインザプール。オーイエー!


とりあえず立ってみるとポタポタとカバンから水滴が染み出してくる。麦茶もしたたるいい男。
中を確認してみると、本、ポーチ、イヤホン、充電器、手袋が水浸し。痛いのは財布。革がフニャフニャ……。まじかー!
電車の中で立ちながら一生懸命に財布を拭いてると、車内に漂う麦茶の香り。あの暑い夏の日を思い出す。前に立つ女子高生二人組が「なんか臭くない?」とか言い合ってる。そんな話、聞きたくない!僕は関係ない!と水浸しのイヤホンをカバンから取り出し耳に突っ込む。再生ボタンをオン。流れ出るは小田朋美さんのアルバム『グッバイブルー』より『北へ』。繊細な歌声で「あの港町まで連れて行ってください。父親になれとは言わないから。連れて行ってください」重たい!と着けたイヤホンをすぐに外す。ワタワタしてる僕を胡散臭気な目で睨む女子高生たち。カバンの中から濡れたティッシュが出てきたところで、彼女たちは車両を変えていった。


そんな出社。今日は仕事もパッとしなかった。もう帰ります。飲みます。

ヨーグルトメーカーを買った!

ジャン!
f:id:nohitakun:20180222202741j:plain
ジャカジャン!
f:id:nohitakun:20180222202805j:plain

憧れが止まらず買ってしまった。ヨーグルトメーカー。プレミアムだって!
この記事を書いてから気持ちが高まってしまった。
http://konnyaku-knightrider.hatenablog.com/entry/2018/02/19/204158

気がつけば火曜の朝にはAmazonでポチッてた。で、火曜の夜に届いた。
はやい!頼んでから8時間後くらいには届いていた。たぶんワープ装置とかを開発する会社があるとしたらAmazonだと思う。僕の生活はAmazon無しで成り立たないところまで来てしまっているので、ぜひ公共企業化し、税金を払わせてほしい。
……このまま行くとAmazonを褒め称える記事になるので一旦止めておく。

ヨーグルトメーカーの話をしたい。
これで自宅でヨーグルトが作れる!
「自宅でヨーグルト作り」
そんなんする人は絶対に丁寧な生活してるに決まってる。家具は北欧のもので揃えてるし、服はセンスの良いものを10着しか持っていないフランス風のはずだし、たぶん週末はマルシェとか行ってる。実際の僕は、家具はニトリだし、服は買ってから1回も着てないものもあるし、週末は家から出ない。けど、気にしてはいけない。なぜならもはや我が家にはヨーグルトメーカーがあるから。アフター・ヨーグルトメーカー。跳ね上がるQOL暮しの手帖あたりから取材が来る。


妻も僕も帰りが遅くてまだヨーグルト作りが出来てないけど、とりあえずテーブルに置いて飾ってある。ホレボレする。
さらに添付のレシピを見て気持ちを上げている。レシピにはギリシャヨーグルトの作り方とかも書いてある。
ギリシャヨーグルト!未知の食べ物!
きっと食べたら、地中海の暑く乾いた風を感じられるはず(ギリシャは地中海ってさっきウィキペディアで調べた)。
妻と「作るの楽しみだね」とか話し合ってる流れで、「ギリシャヨーグルトも作れるみたいだよ!」と喜々として言ったら、妻はレシピをパラパラとめくった後「こんなん普通のヨーグルト買ってきて、ザルでヨーグルトの水を切れば良いだけやん」と真顔でのたまった。さっきまで楽しく「作ろうね」とか話してたのに、急に梯子を外すのやめてほしい。ロマンを!ロマンを感じようよ!

僕は頭が悪いのかもしれない(果しなき流れの果にを読んで)

自分は他の人と比べて頭が悪いのかもしれない……。たまにそんな不安にかられる。
今回、小松左京さんの『果しなき流れの果に』を読んでも思った。

果しなき流れの果に (ハルキ文庫)

果しなき流れの果に (ハルキ文庫)

久々にSFでも読もうかなーとAmazonで探していたところ、レビューがたくさんついてる割に評価が高い本作を見つけた。1963年に連載が開始されていて、ちょっと古いけどまぁ大丈夫だろうだろうと、Kindleで購入した。


したら、読むのに苦労する苦労する。
粗筋を書くのは諦めるけど、現代の青年が未来からの使者に追われて、過去・未来を縦横無尽に行き来するって話だった。
で、この行き来がまじで縦横無尽。さっきまで未来の話だと思ったら過去に帰ってて混乱する。さらに追手側の視点でも過去・未来が入り乱れて書かれるため誰がどこにいるのか分からなくなる。ようは何が何だか分からなくなる。こういうのは読書体験としてかなり辛い。読み終わるのにかなり時間がかかった。


でもAmazonのレビューが高いという現実……。
本当にみんな分かったの!?理解できた?「やーこのストーリー、最高だぜ!」って思えたの?と聞いて回りたい。
「中学生のころ貪るように読んだ」とか「高校時代の愛読書」とか書いてるレビューを見ると、まじかよ……?と思う。中学時代、十五少年漂流記を愛してた僕が不憫。隣でこんなに難しい本を読んで理解してた奴がいたんだ……。
「お前、かしこぶって本とか読んでるけど、ただ友達がいなくて本読むことくらいしかやることなかっただけだから」と、もうひとりの僕が中学時代の僕に酷いことを言う。僕がかわいそう。


こういうことがあると「もしかして僕の頭が悪いだけなのでは……?」と不安になる。誰でもいいから「違うよ、君は頭悪くないよ」って慰めてほしい。