人類に浴室乾燥機は早かった

最近、ヨーグルトメーカーを使ったなどと家庭的な一面を見せてしまっているけれど、今日もそんな話題。
先週土曜、お風呂場の浴室乾燥機を掃除した。先週の土曜からだいぶ時間が経っているけど、ブログに書くまで心の整理に日数が必要だった。今回はあまりにもダメージが大きい。


掃除の発端は、浴室に赤茶色の水が垂れるようになったこと。
最初は「何かしら?まぁいいや」とシャワーで流していたのだけれど、それが続く。よく見ると着地点の真上は浴室乾燥機……。コナンくんばりの推理を働かせると「浴室乾燥機の中で何かしら赤い液体が出来上がり、それが溜まってて排気口から落ちてきている」と考えられる。一度気にかかると、その気持ち、もう止められない。can't stop fallin' love.掃除することに決めた。


が、ここで一つ問題。
実は過去にも浴室乾燥機内が気になって、業者に清掃の依頼を出したことがある。けど、丁重に断られた。うちのマンションで備え付けられている浴室乾燥機は分解清掃出来ないらしい。その時は「まぁ仕方ないね」で、諦めたけれど今回はこっちも引けない。負けられない戦い。
(分解清掃出来る浴室乾燥機もあるみたいです)
業者の人にもやらない方が良いですよ、と言われた分解清掃の海に漕ぎ出す。いざ行かん!ヤーヤーヤー!
  

まずは天井に取り付けられた浴室乾燥機の蓋を取り外す(乾燥機自体、天井に埋まっているため外せないので付けたまま掃除しないといけない。だから上を向いた作業になる。)。ネジで止まっているだけなので、簡単に外せる。開けてみると……、うん、業者の人の言うとおり開けなきゃよかった。
よく清掃業者の広告で「お家の中ってこんなに汚い」みたいな、写真があったりするけれど「これって過剰広告だよね」と考えがちだ。でもね、あれ、マジっす。嘘じゃないっす。本当にあんな写真の通り。浴室乾燥機の中、真っ黒けっけ。おそらく乾燥機がホコリを吸い、そのホコリにカビが生えたのだろう。ナウシカ腐海は、たぶん宮崎駿監督が浴室乾燥機を掃除してときに着想を得たのだと思う。
ちなみに写真は撮らなかった。あれは世に出してはいけない。


とりあえず天井の乾燥機の内部をスポンジで擦ってみる。黒い土みたいなのが、ボロボロと落ちてくる。ギャー!
床はあっという間に落ちてきたカビで真っ黒になった。もう辞めたい。でも、やってもやっても一向に終わらない。
仕方ないのでバスマジックリンを直接吹きかけてみる。これで乾燥機が壊れたら敷金が帰って来ないだろうなとは思ったけれど、背に腹は代えられない。もう何も知らなかった頃の私達には戻れないのだ。それをさらに歯ブラシで擦ってようやく黒カスは落ちてこなくなった。でも、乾燥機の中はまだ全然汚れている。黒いところは変わってない。泣きながら歯ブラシでゴシゴシしても汚れは落ちない。……30分後、僕は掃除用具を片付けることにした。負けたのだ。
僕はこの腐海とともに生きていく。これは諦めではない。決意だ。
蓋を締め直して、見なかったことにする。悔しいこと、この上ない。もう我が家では浴室乾燥機を使えない……。


今回のことを通じて、メンテナンス出来ない機械は良くないと思うようになった。オーバーホール出来ることは機械として必須条件ではないだろうか?
メンテナンス出来ない機械は身の回りにたくさんあると思う。エアコン、洗濯機、換気扇……。それらを我々人類はコントロールしきれているのだろうか?中は綺麗だと妄信しているだけではないだろうか?
そう、人類は浴室乾燥機という叡智を使いこなすにはまだ早かったのだ。


※今回の記事を読んで「やってみるか」と思った方、注意事項があります。蓋を外すと換気扇の羽が剥き出しでした。一歩間違えば、指が吹き飛びます。汚れた羽で吹き飛ぶので傷口にも良くないでしょう。
どうせ汚れは落ちないのだし、やらない方がマシです。壊したら敷金も帰ってきません。開けるのはお勧めしません。
どうしてもという方は、こんな記事を書いておいてなんですが、自己責任でお願いいたします。