G対策業者さんを呼んでみた話

先に強く言っておきたいのだけれど、たぶん我が家は清潔にしているほうだと思っている。
妻も僕も若干、潔癖症気味なところがあって、外から帰ってきたらスマホをアルコール入り(重要)のウェットシートで拭く、どこにも触れずに服を脱ぐ、もしくはお風呂に入る。掃除も結構な頻度でしているし、においが出る生ごみは二重にして廃棄している、窓も開けっぱなしにしない……等々、気を使って生きている。我が家の必需品は業務用エタノールだ。
なぜか?
Gさんに出くわさないためだ。
(今日の日記はゴキブリのとをGと呼びます。もう、ゴキブリって表記自体ダメなのです)


ほかの虫なら、そこまで怖くないのだけれど、Gだけは本当にダメ。好きでその姿に生まれたわけではないだろうけど、あのテカリと平べったさ。道端で出くわそうものなら「キャッ」とか声が出ちゃう。あいつが歩いていたところを踏まないようにしてしまう。なんか靴裏にGの菌とかつけてしまいそうで……。

 


そのGさんが引っ越した今の家では見かけてしまう。
思い返せば今年の7月ころ。
妻が会社から帰ってきて玄関の電気をつけたところで「こんにちわ」したらしい。見つめあう二人。止まった時間はまるで永遠のよう。
妻は虫全般がダメで、Gなんてぶっちぎりで無理。生存を認められない。ただ、僕にとってありがたいのは嫌いすぎて確実に殺さないと気が済まない質だったところ。悪・即・斬と斎藤一みたいなやつだったところ。まだ僕が会社から帰っていなかったので、一人で戦い、殺してくれた。ありがとう、妻。
ただ、妻はここまでが限界で、殺した死体は会社から帰ってきて僕が処理した。けっこうな大きさだった。泣きそうになりながら処分した。

 


二回目は二人で外にご飯を食べに行った8月ころ。
「あのお店、おいしかったね。次はアレを食べようね」とかキャッキャ、ウフフと帰宅して、妻が居間のドアを開けたら「こんにちわ」。見つめあう二人。これまでの楽しい時間の終わりを告げる妻の悲鳴。「なんだ、なんだ」と僕が行くと。いるの。あいつが。7月よりも大きくなって帰ってきた。
僕もGを見かけたら確実に殺さないと済まないタイプなので、ゴキジェット一本を使い切る勢いで倒した。知ってました?ゴキジェットって結構いい匂いがするって?柑橘系の香り。思考停止した僕はそんなことしか覚えていない。

 


そして、先々週悪夢の三回目。
妻が和室で転がってたら、カーテンにつく黒い小さな塊。「ほこりかしら?」と近づいてみると、動いている。よくよく見るとGの幼虫……。おいおい、寒くなってきた11月だぞ。てか、妻の遭遇率の高さよ。
大きくなっても怖いけど、小さくなるってことは……。頭によぎるは「一匹見かけたら○匹」の標語……。僕は会社にいるときにその連絡が来たので、妻から聞いたその黒い虫の特徴を検索しまくることになった。頼むから違う虫であってほしい……と。業務時間ではないか?うるさい!
だけど、あてはまりまくる特徴。てか、それを調べるときにGの幼虫を画像で見まくってガンガンに削られる僕のHP。ネット上にはGの画像がいっぱい落ちているんですね。探しといてなんだけど、止めてほしい。嫌がらせか。

 


もうね、ここで決意しました。Gの業者を呼ぼうって。僕の心が耐え切れない。その検索の流れで「G 業者」で調べて、速攻で電話した。

 


ここでもう一回言っておきたい。
本当、うちは清潔にしてますの!信じて!お願い!
だって今の家に来るまで3回引っ越したけれど一度も見なかったもの。素敵な生活をしてた。「げ、のひ太の家ってGが出るような汚い家だったのね……」って思われそうで怖かったからこの日記も書こうかどうしようか迷っていた。本当に違うの!めっちゃきれいにしてるの!と叫びたい。拡声器を使って。
出没する原因があるとしたら、今の家の古さ。築30年と年季が入っていて、通気性がいいんだけど裏を返せば隙間が多い家。今の家は家賃が相場に比べて安い、日当たり抜群、1フロア占有、駅から徒歩3分、駐車場も東京としては激安、大家さんもいい人……といい物件の数え役満みたいなところで、気に入っているからGを理由に出ていく気持ちにもなれない。
ならば!お金をかけてでも戦うしかない!
っていうことでG対策の業者さんに来ていただきました。
したら、すごいの。電話したら夜でもすぐにでも来てくれた。この行動力は惚れるやつだ。

 


で、まずは対策方法の説明を丁寧にしてくれた。
・G対策にはベイト剤という、毒餌を使う。これを食べたGを殺すのだけど、弱ったGが出てくる可能性がある
・このベイト剤、焦げ茶色の練餌で白い壁や新しい家だと目立つ場合がある(我が家はふるいので目立たない…ろ)
・できるだけ目に見えないように退治するっていう観点でホイホイも効果的。一年ほったらかして、また来年に業者側で回収する
・クロGの場合、一番効くのが市販のGホイホイ。あれはすごく良くできてる。
・Gは1.5ミリの隙間があれば簡単に侵入してくる。出てきそうな隙間は塞ぐしかないが、素人がやるのには限界がある。
とのこと。

 


また、我が家の中をざっと見てもらって、分析もしてもらった。
・巣や糞が無いから家の中に巣を作っていることはないだろう
・奇麗にしているし、Gが住み着いていることはないだろう(←重要!ね、奇麗にしてたでしょう?)
・おそらく窓を空けたすきに入ってきたのではないか?
ダンボールは卵が産みつけられていることがあるからすぐに処分した方が良い
・ただ、やっぱり家が古いから隙間がある。そこから侵入はおおいにありうる。
とのこと。

 


このあと、実際に見せてもらったんだけど、たしかに家の中って隙間だらけ。
あいつらは基本的に床裏、天井裏、配管のところに住み着いていて、そこと部屋との隙間から出入りしているらしい。で、床裏、天井裏、配管設備はアパートやマンションはすべて繋がっているから、どんなに家の中をきれいにしてても出るときは出る、んですって。うちは2階なんだけど、うちの床下は1階の人の天井裏になるし、うちの天井裏は3階の人の床下になるっていうこと。「裏」と呼ばれるところはみんな共通。その床裏、天井裏、配管設備はアパート内で繋がっていて、そこから部屋の中に隙間を経由して入ってくるらしい。
例えば、洗面台の流しの下。うちは若干建付けが悪くて、すこーし洗面台が浮いてる。(でもこのくらい)

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そこからあいつらは出入りするんですって。たしかにこの隙間をたどると、すぐに配管だった。流しの下も同様。
あとブレーカーの中。思いっきりデカい穴があって、すぐに外につながっていた。はー、こんな簡単に外とつながるのね。アウターゾーンは現実と隣り合わせに存在するってミザリィが言っていたことを思い出した。
業者さんそれらの隙間を丁寧にパテで塞いでいってくれた。
驚いたのは洗面台。壁の裏と繋がる穴がガバガバ。5センチくらい空いてるからGにとっては渋谷駅とヒカリエを繋げるくらいの完全なる連絡通路。その穴も大工仕事までしてくれて埋めてくれた。「そこまでしてくれるんだ!?」って思ってたら、「G業者の仕事じゃないんだけどねぇ」って言ってた。最近は雑な施工業者が多くて、こういうのはよく見るんですって!

 


ほかにも部屋中にガツガツと毒餌をまき、隙間も詰めてもらって、終了したのが2時間半後。
あ、ちなみに毒餌はこんなの。


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わかります?黒光りしてるが毒餌。
何回も注意されたのが、「ちょっとGっぽく見えるけど捨てないでね」
たしかに……ちょっと見える……。けど、本物が出なければ耐えられる……!

 


帰りがけにメールアドレスも教えてくれて1週間後、2週間後、1ヶ月後に連絡を入れてほしいとのこと。対策後にGを見かけたか、見かけた場合どこで見かけたか?等の情報を集めて分析したいんですって。また一ヶ月以内に見かけた場合、アフターフォローでまた来てくれるサービス付き。見かけなくても毒餌の効力が一年で切れるので、できればそのくらいにまた呼んでほしい、一年以内に呼んでくれれば、20%引きにしてくれるとのこと。

 

 

ここまでしてもらって費用は3万4千円。
高いと思うか、妥当と思うか……。僕としてはこれで家の中であいつを見かけなくなるって心の安心を買えるのであれば安いと思っている。ぜひ、来年もお願いしたい。

 


そんな業者さんを呼んでまでの今回の対策。
とにもかくにも、Gの住む世界と我々の住む世界との境はあまりない……ということを知ってしまった。最近は暖房のおかげか、冬でも出るらしいです。あいつらが。ほら。あなたの後ろでもカサカサカサ……と蠢いているのでは……?
と、ホラーな感じでまとめて終わります。