お義父さんお義母さんと行く淡路島旅行

先週、妻と妻のお義父さん、お義母さんと淡路島に行ってきた。
義父母とのはじめての旅行。学生時代の中間テストくらいの緊張感、別に大したことではないけど、ここで失敗すると後々に響くぞ、というイベント。
特に僕は前回、妻の実家に帰省した際、お義父さんが運転する車に酔ってドライブ中に吐いた実績がある。「す、す、すいません!」と車を止めてもらって、道でゲー。あとは車の中でずっと寝てた。僕がお義父さんお義母さんなら「こいつに娘を預けて大丈夫か?」と不安になる。今回は失敗できない。


そんな旅だったけどお義父さん、お義母さんは優しく出迎えてくれた。「これ、のひ太くんに似合うと思って」と服までプレゼントしてもらった。マジか。優しさになれてないから「えへへ、どうも」みたいな社会人として、どうかというお礼しかできなかった。気持ちはお白洲の上に正座して「ははぁ!私めなぞにこのようなものを頂いてしまい、恐縮至極でございまする!!!」くらいだったのに。35歳ってなんだろう……。


そんな淡路島。
地理が壊滅的な文系のあたい。淡路島は大阪府だと思ってたけど兵庫県なんだって!そのことに驚いたことを妻に話したとき、ゴミを見るような目で見られたのでお義父さん、お義母さんには黙ってた。
そのくらいなので特産とかも知らなかったんだけど、玉ねぎが有名らしい。てか運転してると至るところで玉ねぎを作ってる光景を見る。冗談じゃなく100メートル間隔くらいで玉ねぎが大量に干してある。その上、道の駅でも3キロ1000円とかで売ってる。3キロって。
極めつけはお昼。玉ねぎカレーに玉ねぎサラダが付き、サラダには玉ねぎドレッシングがかかっていた。汁物は玉ねぎのコンソメスープ。これを「さぁ!玉ねぎですよー!特産ですよー!」みたいにテンションを上げるわけではなく、普通にしれっと出してくる。
何だか玉ねぎに対して、静かな狂気を感じる。わけもなく「ちょ、ちょっと待って」って言いたくなる。
淡路島、狂ってるわーって思ったけど、何かに似ている。そう、あれだわ。僕の地元、千葉におけるピーナッツと同じだわ。至るところでピーナッツを売ってるあの風景が玉ねぎに置き換わっただけ。てか、ピーナッツってそんなに食べないことを考えると、玉ねぎの方がましか。ピーナッツだらけの風景に違和感を感じてなかったけど、こうやって自分も狂ってることにふと気がつくとゾッとする。ピーナッツ……。


そんな淡路島旅行では、タコを食べたり、地元の有名な商店街を歩いたり、きれいな海岸を散歩したり、うずしおを見たりした。食べるものは美味しく、うずしおをは迫力が凄かった。世界最大規模らしいので、行くことがあれば見ておくことをおすすめする。


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そんな旅行で印象的だったのがお風呂。ホテルに温泉がついていたので、みんなで入ることにした。
お義父さんも僕も当然、男湯に入る。温泉と言えば裸の付き合い。元気な女性陣がいない、無防備な我々は何をどうすれば良いのか?
「お背中でも流しましょうか?」とか言ったほうが良いのかな……?もしくは女性もいないことだしシモネタか?「お義父さん、最近アッチの方はどうですか?」や、でも、お義父さん、シモネタとか嫌いそうだしな。とか、モンモンとしているうちにお義父さんは洗い場からお風呂に移っていった。いそいそと着いていく、ムスコをぶら下げた義理の息子。
そのお風呂には何故かタヌキのオブジェがあった。リアルなタヌキではなく、可愛くデフォルメされたタヌキ。お義父さんはそのタヌキに寄りかかって寛いでいた。
……それを見てこんなことを言うの、大変失礼かと思うのですが、そのタヌキのオブジェとお義父さんがそっくりなの。生き別れた兄弟かな?と。妻もタヌキに似てるなぁと常々思ってたんだけど、お義父さん似だったか。タヌキが2匹……。狙ってるのか?笑っていいのか?
てかお義父さんも何もタヌキに寄りかからなくても良いのに。これは試されてる?言うのが正解か、言わないのが正解か。
そんなことを考えているうちにお義父さんはお風呂を上がってしまった。取り残された僕は何だかぼんやりしてしまい、その後もお風呂からなかなか上がることができなかった。
旅行から帰ってきた今でも言うべきだったのか、言わないべきだったのかを考える。どちらが正解だったのだろう。
 

そんなお義父さん、お義母さんと行く旅行。なんだかんだ楽しい旅行だった。てか、甘えまくって何もしなかった。飲んで食べて寝てるだけだった。これで良かったのか……と不安に思う。失敗は……たぶんしてなかったと思う。